2018年12月3日月曜日

【凜】首都高技術インフラドクター部・川村日成さん


 ◇今あるものを守り続ける◇

 メンテナンスのスペシャリストを目指し、新しいものを造り出すことよりも、今あるものを守り続けることにこだわりたい-。

 ICT(情報通信技術)を活用し、高速道路の維持管理業務の効率化・高度化を図るシステム「インフラドクター」を大学在学中に知った。開発主体である首都高技術(東京都港区)を就職先の第1志望に掲げて今春入社。システムの機能拡張に向け、3次元点群データを用いた舗装点検技術の開発を任され、実用化に取り組んでいる。

 地元の高知市で曽祖父が建築家として学校建設などに携わった話を聞き、建設の世界に興味を抱く。高知工科大学に進学し、スケールの大きな土木分野を専攻。大学院では避難シミュレーションを用いた高齢地区での津波避難行動分析の研究に没頭した。

 大学に進む前、東日本大震災が発生。地元では南海トラフ地震への危機感が高まり、「今ある街や人々の暮らしを守りたい」との思いが強まった。構造物自体を強固にすることも重要だが、日々の点検・管理を適切に行うことが防災・減災の基本にあると考える。

 自分が思い描く道を、自分のペースで歩けていることに幸せを感じる。まだまだ経験も知識も浅いことは百も承知だ。メンテナンスの世界で一つずつキャリアを積み重ねながら、現場の効率化につながる技術開発にまい進する。

 (インフラドクター技術課、かわむら・ひなり)

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