◇現場の声を大事に◇
東京区部など人口密集地域を流れる荒川で、最下流部を管理する小名木川出張所を率いている。台風来襲時など24時間体制での対応が求められる場面もある。「皆さんの生命・財産を守るために堤防の健全性を維持することが第一の使命」。そうした思いで仕事に当たっている。
出張所は、国土交通省の中でも特に地元に近い職場であり、住民と直接話す機会も多い。西日本豪雨など災害が続いた今年は、危機意識の高まりを感じたという。「堤防補強工事しっかりやってくださいね」「安全・安心のために頼みますね」。こうした声を耳にして、「荒川の堤防は絶対に切らせてはいけない」と気を引き締めている。
管内の工事現場を回っていて、担い手の高齢化を感じている。生産性を高めていこうと建設現場の生産性向上策i-Constructionに積極的に取り組んでいる。
だが、受発注者ともに手探り状態であり、改善の余地があると思っている。大事にしたいのは現場の意見。「使い勝手が悪いところも含めて、できるだけ現場の声を上げていきたい。そうすることで、より使いやすい制度や技術になっていけば」と先を見据える。
休日に時間がある時には、弓道で汗を流す。「道場で会う人たちは、年代も職業も幅広い。いろいろな話ができるので新鮮」と笑顔で話す。
(いけがみ・きよこ)
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