2018年12月25日火曜日

【高さ275m、建設費1千億円超】大阪メトロ、万博会場・夢洲に駅タワービル開発構想

 大阪メトロが2025年国際博覧会(万博)の会場となる夢洲(大阪市此花区)に、斬新なデザインを取り入れた新駅と駅ビル「夢洲駅タワービル(仮称)」を一体開発する構想をまとめた。

 商業やホテル、オフィスなどが入る高さ275メートル程度の複合ビルをイメージ。建設費は1000億円超と試算する。同日会見した河井英明社長は、万博に続くIR(統合型リゾート)の誘致実現と土地の確保を開発の前提としつつも、「全社を挙げて取り組む新たな発展の象徴であり、2024年までに実現させたい」と意気込みを語った。

 夢洲開発への参画は、7月に民営化後初めて策定した中期経営計画の主要施策の一つ。現在、夢洲への鉄道アクセスはないが、万博開催に合わせ、咲洲の大阪メトロ中央線「コスモスクエア駅」(住之江区)から夢洲の新駅「夢洲駅(仮称)」に至る約3キロを延伸する。咲洲と夢洲の海底を結ぶ「夢咲トンネル」は、道路と鉄道の併用トンネルとして09年に完成している。

 大阪メトロでは新駅周辺の土地確保など、条件が整えば積極的に開発計画を進め、大阪の発展に貢献していく考えだ。専門家を交えた社内のプロジェクトチームが作成した構想によると、夢洲駅と直上のタワービルは「新しい大阪の活力拠点」として整備。この拠点から活力を生みだし、それが大阪全体に染み渡っていく流れをイメージして外観等をデザインしたという。

 現時点では55階建て程度の複合ビルを想定。低層階に商業施設やエンターテインメント関係施設など、中層~上層階にオフィスやホテルなど、最上階には大阪を一望できる展望台も計画している。

 駅と商業施設は開放的な空間で一体感を創出。コスモスクエア駅と夢洲駅を結ぶトンネルは、エンターテインメントへの入り口と位置付け、LED技術などを駆使して新しい体験を期待させる“ワクワク感”を演出する。

 開発構想では4年程度の工期を見込む。開発の前提となる用地について、河井社長は「24年に完成させるためには、1~2年以内に土地を確保する必要がある」(河井社長)としており、関係機関などとの協議・調整を急ぐ考えだ。

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