三浦しをん氏の著書『舟を編む』(光文社刊)は、辞書編集部で働く編集者らの辞書作りへの熱い思いが描かれてる。映画にもなったのでご存じの方も多いだろう▼「辞書は言葉の海を渡る舟で、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」ことから題名が付けられた。何十万という言葉にその時代の活用方法も考慮しながら、一つずつ分かりやすい解説を加えていく。その作業は言葉への強いこだわりと執着心がなければできない▼先月発売された三省堂の『大辞林』第4版で「土木」という言葉の解説が変わった(本紙24日付1面掲載)。これまでの「道路などを造る事業」という断片的な表現が「あらゆる産業・経済・社会等人間生活の基盤となるインフラを造り、維持・整備してゆく活動」に▼辞書に掲載される「土木」の解説をもっと分かりやすいもの変えていく活動は土木学会が長年取り組んできたものだ。2013年の「土木広報アクションプラン」の中でも重要な広報戦略の一つに挙げられている▼変更の背景には同学会関係者の働き掛けがあったのだろう。地道な活動の積み重ねが土木のイメージを変えていくはずだ。
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