2019年10月9日水曜日

【回転窓】無電柱化の促進を

20年以上の前のこと。東京・表参道を歩いている時、友人が「ここの景色はどこか違わないか」と聞いてきた。ケヤキ並木がきれいだなと思ったが、それ以外は分からず黙っていると、「電柱がないんだよ」と教えてくれた▼無電柱化は全国の商店街や緊急避難道路などで整備が進む。ただ、コスト高などがネックとなり思うように整備延長は伸びていない▼9月に発生した台風15号による千葉県内の停電も強風で電柱が道路に倒れ、復旧まで時間がかかった。停電を最小限に防ぐには電線を地中に埋め、電信柱をなくすのが効果的だ。防災面だけではない。安全な歩行空間の確保や都市景観も良くなる▼パリやロンドン、香港など海外の主要都市は100%で無電柱化が行われており、日本は後れを取っている。無電柱化に熱心に取り組んでいる東京都でさえ、23区でみるとわずか8%の整備率しかない▼小池百合子都知事が先月の会見で「無電柱化はコストが高いと言い、そこで議論が止まってしまう。技術革新や制度も変わってきているので(台風被害を機に)やるべきところはやる」と発言。強力な指導力でぜひ実践してほしい。

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