2019年10月30日水曜日

【春の町跨線橋上部工、施工は九鉄工業】3000トン級クレーンで鋼桁を一括架設

重量300t超の鋼桁の架設に与えられた作業時間は96分
九州地方整備局が整備を進める国道3号黒崎バイパス(BP)の「春の町跨線橋」の上部工一括架設作業が26日、北九州市八幡東区西本町で行われた。限られた作業時間の中、3000トン級の大型クローラクレーンを使用しJRの線路の直上で橋脚に重さ300トンを超える鋼桁を設置。未明に行われたにもかかわらず工事関係者のほか多くの地域住民らも作業の様子を見守った。施工は九鉄工業が担当。

 跨線橋は黒崎BPの未開通区間の構造物で上下線各2車線の4車線。JR鹿児島本線とJR貨物線の線路を跨ぐ部分はJR九州に工事を委託しており、JR九州から受注した九鉄工業が下部工工事と上部工架設工事を行っている。

 同日に一括架設を行ったのは支間長81メートル、架設重量約308トンの上り線の鋼桁。作業には国内に4台しかない3000トン級のクローラクレーンを使用。国道3号を全面規制し、JR架空線の送電停止時間を含め96分間という限られた作業時間で午前2時から行われた。

 多軸式台車で輸送した鋼桁を地上約20メートルの高さまでクレーンでつり上げた後、約1時間待機。最終の貨物列車通過後に送電停止を確認した上で鋼桁につないだロープをトラックで引っ張り、クレーンの動きに合わせて鋼桁をゆっくりと旋回させ、約10分かけて橋脚の上に移動し仮固定した。

 現場には親子連れなど多くの地域住民らも集まり、写真や動画を撮りながら上空で行われる滅多に見られない大掛かりな作業に興味深げに見入っていた。11月3日には下り線の鋼桁(支間長99メートル、架設重量約420トン)の一括架設を行う予定で2019年度末までにJR跨線部の工事を完了する。

 九州整備局北九州国道事務所の小椎尾優副所長は「できるだけ早く(黒崎BPの起点側を)国道3号に接続し渋滞箇所の交通を転換させ、北九州市副都心部の交通環境を改善したい」と話した。

 黒崎BPは北九州市八幡東区西本町から八幡西区陣原までの延長5・8キロの事業区間のうち八幡東区東田から終点までの5・2キロが暫定2車線と完成4車線で開通している。

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