2019年10月11日金曜日

【回転窓】社外取締役の役割

世界で活躍したレーサーの井原慶子さんは、自動車産業やモータースポーツ界で女性が尊重され、活躍が歓迎される環境づくりに取り組んでいる。関連する複数企業の社外取締役という顔も持つ。日産自動車も井原さんが社外取締役を務める1社だ▼建設業を含む女性活躍の所見を伺おうと井原さんを取材したのは昨年末。当時日産は元会長の報酬虚偽記載問題に揺れていたが、快く対応してもらった▼取材の本筋ではなかったものの話題が日産問題に及んでもためらうことなく、自身の役割を認識して会社の建て直しに全力を注ぐ姿勢が印象に残った▼上場企業で社外取締役の比率が3割を超えたそうだ。うち女性は監査役や執行役を含めると1000人を上回る。外国人の存在も大きい。旧態依然とした経営から脱する上で社外取締役に期待される役割は小さくない。対応に当たった問題で井原さんら社外取締役の活動も注目された▼独特の「ムラ社会」的経営は外からの厳しい目に弱い面がある。本来の意味で社外取締役の役割を機能させ企業を発展させていく上で、受け入れる側の意識改革が必要なことは論をまたない。

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