千葉県柏市が「旧手賀教会堂」(手賀666の2)の保存修理に向けて実施したクラウドファンディングで、目標額の100万円を上回る133万5000円が集まった。
7月24日から3カ月で90人が資金提供した。2020年度に行う保存修理工事の総工費は4000万円程度を見込む。市は寄付金を一部に活用して文化財保護に役立てる。
旧手賀教会堂は首都圏に現存する最古の教会堂で、1881年にかやぶき屋根の民家を現在地に移築した。前回の保存修理から43年が過ぎ、木部の腐朽や屋根の劣化が見られることから、構造補強や上下水道やトイレ、受付の整備などの工事を行う。
2012年には千葉県指定文化財に指定されている。20年度に完了させる予定の保存修理後は、土日祝日だけでなく、平日も見学者を受け入れるようにする。観光拠点にして市の地域活性化に役立てる考えだ。
工事の実施設計は、もば建築文化研究所(東京都台東区)が担当。来年6月にも着工する考えで、市は「重要文化財、指定文化財の保存修理の実績があることを条件に発注したい」(生涯学習部文化課)意向だ。クラウドファンディングの結果については「文化財保護の仕事をする立場から心強いものを感じた」(同)としている。
0 comments :
コメントを投稿