水資源機構が福岡県朝倉市と東峰村で進めている小石原川ダム建設事業の堤体盛り立てと主要構造部のコンクリート打設が完了し8日、本体工事を施工している鹿島・竹中土木・三井住友建設JV主催の「盛立完了・打設完了式」が建設地で開かれた。
JVや協力会社、機構から約460人が参加。最終コンクリート打設を行い、度重なる豪雨被害などを乗り越えて迎えた節目の日を祝った=写真。
施工者あいさつで山脇健治JV所長は豪雨災害によりバッチャープラントが水没するなどの困難な局面があったと振り返りつつ「月1万8000立方メートルのコンクリート打設という記録もつくり、無事今日の日を迎えられた。盛り立てでは基礎掘削35万立方メートル、盛り立て42万立方メートルの増加に対応し完了できた。今後も作業は進むがここまでやってこれたことを一つの区切りとし、明日からも安全にやっていこう」と呼び掛けた。
同機構の染谷健司朝倉総合事業所長は「さまざまな工夫により、これまでに例のない早いスピードで盛り立てと打設を行ってもらった。設計変更や施工計画の見直しを行いながらここまでこれたことに感謝している。建設中には出水と渇水を経験し、地域から早期の完成が期待されている」と話した。
引き続き大型クレーンでつり上げたバケットから取水塔付近に最終コンクリートを投下。コンクリートを締め固めた後、一同で万歳三唱を行った。
同機構によるとダム本体工事の盛り立て量は約780万立方メートル、洪水吐きなど主要部のコンクリート打設量は約20万立方メートル。工事では複数の建設機械が連動しながら自動運転を行うシステム「クワッドアクセル」を本格導入した。今後、本体の天端の舗装や基礎処理、付け替え道路の工事などを進め、2019年度中の試験湛水開始を目指す。
同ダムは洪水調節や流水の正常な機能の維持、都市用水の確保などを目的とした多目的ダム。形式はロックフィルダムで堤高139メートル、堤頂長約550メートル、堤体積約830万立方メートル、総貯水容量約4000万立方メートル。完成すれば九州では最も堤体が高いダムとなる。延長約5キロの導水施設も整備している。総事業費は約1960億円。
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