全国建設業協同組合連合会(全建協連、青柳剛会長)は、工事現場の仮囲いのデザインアイデアを学生から募る「仮囲いデザインコンテスト」の公開最終選考会を東京都千代田区の東海大学校友会館で25日開き、最優秀賞に専門学校東洋美術学校のグループ「ピクニック」を選定した。
優秀賞は武蔵野美術大学のグループ「Studio Horizontal II」。入選は5グループ、特別賞に10グループを選んだ。
2回目となる今回のコンテストは、「『工事中と人々を結ぶインターフェイス』を実現する」をテーマに設定し、東京都千代田区で施工中の「東京駅前常盤橋プロジェクトA棟新築工事」の仮囲いに採用することを前提にデザインを募集した。工事の建築主は三菱地所。三菱地所設計が設計を手掛け、戸田建設が施工している。仮囲いは3月上旬に着工し、5月12日の除幕式を予定している。
最優秀賞に選ばれたピクニックは女性4人のグループ。仮囲いの表面を使い、建築物を食べ物に見立てて、弁当の形で紹介するアイデアを披露した。審査委員長の古谷誠章早稲田大学教授は「巨大な建築物という一般の人にとって縁の薄いものを、大変身近な弁当という題材で紹介しようという点が非常にユーモラスかつユニークだ」と講評した。
昨年10月から応募登録の受け付けを開始。大学院生や大学生、高等専門学校生、専門学校生、高校生で結成する106グループのエントリーがあり、1次選考を通過した16グループ(1グループ欠席)が最終選考に臨んだ。
開会式には小池百合子東京都知事が駆け付け、「仮囲いも東京の風景の一つだ。その風景が若い世代に彩りを添えてもらうなら、こんなにうれしいことはない」と期待を込めた。除幕式を「楽しみにしている」と参加する意向も表明した。
審査後に会見した青柳会長は、「審査員と学生のやりとりの中で建設業はまだまだ工夫すれば、いろいろなことができると実感した」と振り返った。最優秀賞のアイデアを取り入れた仮囲いの施工に向け、「学生の設計を尊重しながら、しっかりやっていく」と強調。「建設業で働く人の誇りや魅力、やりがいにつながるような渦を業界の中で巻き起こしている。今後もこうした取り組みを続けていきたい」と意欲を見せた。
受賞者は次の通り。グループ名(学校名)。
【最優秀賞】ピクニック(専門学校東洋美術学校)
【優秀賞】Studio Horizontal II(武蔵野美術大学)
【入選】4U(早稲田大学)▽北川丸(和歌山大学)▽KEAN(長野県池田工業高等学校)▽SAU(東京大学大学院)▽チームK(群馬日建工科専門学校)
【戸田建設賞】Hikagn(東京芸術大学大学院)
【三菱地所賞】ATELIER(和歌山大学大学院)
【滋賀県建設事業協同組合賞】屏風-BYOBU-(長岡工業高等専門学校)
【群馬県建設事業協同組合賞】石川高専内田研究室(石川工業高等専門学校)
【宮城県建設業協同組合賞】Kawai Lab(京都府立大学)
【福島県建設業協同組合賞】62158.1132(芝浦工業大学)
【長野県建設事業協同組合連合会賞】タカイヤマノウエ(芝浦工業大学)
【山口県建設業協同組合連合会賞】(E)(東京大学大学院)
【鹿児島県建設業協同組合連合会賞】青山製図専門学校住宅設計デザイン科Eグループ(青山製図専門学校)
【全国建設業協会賞】KEAN(長野県池田工業高等学校)。