2020年2月25日火曜日

【回転窓】命名の教訓を生かす

大きな被害をもたらした昨年の台風15号と19号に名前が付いた。気象庁は2018年に改定した命名基準を踏まえ、15号を「令和元年房総半島台風」、19号は「令和元年東日本台風」と名付けた▼命名の原則は「元号年+顕著な被害が起きた地域・河川名+台風」。損壊家屋1000棟程度以上、浸水家屋1万棟程度以上などの被害が出た台風が対象となる。命名は1977年の「沖永良部台風」以来、43年ぶりという▼昨秋の台風災害を教訓にするため、政府は対応の検証作業に取り組んだ。記録的な風が無数の送電設備をなぎ倒し大規模な停電を発生させた台風15号の被害検証チームは、完全復旧よりも早期の停電解消を最優先とする対策などを盛り込んだ中間まとめを策定した▼被災地の緊急対応に奔走した緊急災害対策派遣隊(テックフォース)の活動報告会を開いた国土交通省関東地方整備局のように、次の災害への備えを強化している関係機関は多い。20年度の国土強靱化計画には15号、19号で明らかになった課題の解決策が加わる方向だ▼台風の命名は「後世への伝承」が目的の一つ。教訓を生かした対策に期待したい。

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