2020年2月20日木曜日

【4本のシールドトンネルを近接施工】首都高横浜北線、馬場出入り口が開通へ

 首都高速道路会社は、横浜市鶴見区で進めてきた首都高神奈川7号「横浜北線馬場出入口工事」の現場を報道各社に18日公開した。

 馬場換気所周辺の限られた敷地に計4カ所の出入り口を整備。高い技術力と管理能力が必要なシールド工法を駆使し、難工事を施工した。首都高速会社の鶴田和久神奈川建設局長は「(工事の完成によって)湾岸線方面と結ばれ、将来的には東名高速道路とも接続可能になる。馬場周辺のアクセス性は格段に向上する」と説明した。

 馬場出入り口は、横浜北線の新横浜出入り口と岸谷生麦出入り口の間に位置する。着工は2011年。約9年の歳月と約310億円の事業費をかけ、▽横浜港北JCT方面への入り口となるAランプ(外径10・1メートル、延長約450メートル)▽生麦JCT方面からの出口となるBランプ(10・8メートル、約450メートル)▽生麦JCT方面の入り口となるCランプ(11・1メートル、約360メートル)▽横浜港北JCT方面の出口となるDランプ(10・1メートル、約700メートル)-を築造した。

 馬場換気所周辺の約205メートル×約175メートルという限られた敷地にフル規格のICを整備。急勾配、急曲線という条件を克服しながら近接する4本のトンネルをシールド工法で築造した。トンネル同士の距離は最接近部で約4・4メートル。本線取り付け部も既存構造物との間隔が35センチしかなかったという。

 さらにトンネルの土かぶりは、Bランプでわずか1・3メートルしかなかった場所があったといい、地盤の浮き上がりを防止するためあらかじめ地表面にコンクリートを打設するなど、緻密な施工管理と高度な技術力が必要だった。

シールドトンネルの掘削では、急曲線部分に高強度な鋼製セグメントを採用。4本掘削したトンネルのうち2本でシールドマシンの部品を一部転用し、掘削カッターや推進装置、セグメント組み立て装置、排土装置などを再利用することでコスト削減を図った。

 馬場出入り口は27日正午に開通する。入り口部分は自動料金収受システム(ETC)専用、出口部分はETC、現金の両方が利用できる。出入り口周辺の幹線道路から首都高横羽線、第3京浜、東名高速道路などへのアクセス向上が期待されている。

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