発進立坑に設置されたシールドマシン。 カーブしている掘削区間に対応するため中央部分がわずかに折れ曲がる構造になっている |
発進立坑の場所は中野区の妙生寺川取水施設内。都道の環七通りと目白通りの地下40メートルに内径12・5メートルのトンネルをシールド工法で構築し、既存の神田川・環状七号線地下調節池(延長約4・5キロ)と白子川地下調節池(約3・2キロ)を連結する。
トンネル延長は約5・4キロ。想定貯留量68万1000立方メートル。事業費は約857億円で、2025年度の事業完了を予定している。施工は大成建設・鹿島・大林組・京急建設JVが担当している。
同日公開されたシールドマシンは外径13・4メートル、長さ12・9メートル、重さ約2500トン。発進立坑の鉄筋コンクリート壁(厚さ2・9メートル)を直接切削して発進するため、多数のビットを配置した。耐久性の高い特殊なビットを採用しており、掘削完了まで交換は不要。シールドマシンの中央部分はわずかに折れ曲がるようになっており、カーブしている掘削区間もスムーズに掘り進めることができるという。
掘削距離は1日当たり10メートル弱を想定。掘削した土砂は、泥水と混ぜて地上部分に送り出す。地上部に送られた土砂は泥水と分離させ、一時的に保管した後にダンプカーで運び出す。
ダンプカーの台数は1日当たり約300台にも及ぶという。作業は昼夜を通じて行われるため、作業は防音ハウス内で行い、騒音を抑える。ハウスの天井や壁は透明になっており、日光を取り入れられるよう工夫されている。
都の第三建設事務所の土方隆工事第二課長は「大雨による災害はいつ起きるか分からない。治水事業を着実に進めていきたい」と意気込みを語った。
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