専門工事業が開催する技能大会。職人たちが懸命に競技に挑む姿はいつみても頼もしい▼23日に富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)で開かれた全国建築板金競技大会も多くの若い職人が匠(たくみ)の技を競った。競技は1枚の板金から工作物を作る「技能の部」と、与えられた課題に対する納まり図を製作する「建築技術の部」の2部門で行われた▼印象に残ったのは技能の部の工具とハンダ接合。曲刃やかげ打金、駒の爪、田楽木づちなど特殊な工具を選手たちは手際よく使い板金を加工。ハンダ接合では事務局が会場の外でおこした炭で銅こてを熱し、水漏れがしないよう丁寧に作業した▼建築板金業界は屋根工事や雨漏り対応など住環境整備で重要な役割を担う。ただ施工の効率化などで、手作業で行う伝統的な技法の採用は減りつつある。こうした技能大会を通じ、これまで築き上げたプロの技を後生にぜひ伝承してもらいたい▼先日亡くなった元プロ野球選手の野村克也氏がプロの世界についてこう言っていた。「金を残すのは三流 名を残すのは二流 人を残すのは一流」。専門工事業は一流を目指してほしい。
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