東京都の小池百合子知事が18日に開会した2020年第3回都議会定例会の所信表明で、旧築地市場(中央区)の跡地開発の検討状況を明らかにした。
小池知事は「先行整備とそれに続く本格整備の事業者を2022年度に一体的に募集する方向で実施方針を検討していく」と表明。東京五輪・パラリンピック開催延期の影響で当初の段取りが崩れ、民間事業者の選定方針を転換する。
跡地開発を4段階に分けて進める方針は、昨年3月に策定した「築地まちづくり方針」に明記されている。ゼロ段階は20年ごろ、第1段階は22年ごろ、第2段階は20年代半ば、ゼロ段階の再整備となる第3段階は周辺インフラの整備状況を踏まえて民間事業者を募集することを想定していた。ただ当時から段階ごとに分割募集せず、一括募集する可能性も除外してはいなかった。
跡地は東京五輪・パラリンピック時に車両基地として利用する。都は当初、19年度にゼロ段階の事業実施方針を策定し、開発を担う民間事業者を募集する予定だった。だが五輪などの開催延期で土地の貸し付けが可能になる時期が不明確となったため、公募時期も見直さざるを得なくなった。
築地まちづくり方針では跡地を▽おもてなしゾーン▽交流促進ゾーン▽ゲートゾーン▽水辺の顔づくりゾーン-の四つに区分けし、誘導する機能を示した。浜離宮恩賜庭園側のおもてなしゾーンには国際会議場や上質なホテル、中央部に位置する交流促進ゾーンには集客・交流施設、研究開発施設、晴海通り側のゲートゾーンには交通ターミナルやホテル、サービスアパートメント(SA)、水辺の顔づくりゾーンには船着き場をはじめ水辺を活用したにぎわい空間を設ける。
既存のMICE(国際的イベント)の枠を超え、東京のブランド力を創出・発信する「創発MICE」の実現を街づくりの目標に掲げている。小池知事は所信表明で「民間の力を最大限に活用しながら、東京の価値を高め、持続可能な発展へとつながる街づくりを推進する」と意気込みを語った。
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