国土交通省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所が奈良市の平城宮跡歴史公園で復元を進めている第一次大極殿院南門に「鴟尾(しび)」と呼ばれる屋根飾りを取り付ける作業が28日、工事現場で行われた。
24日には西側の屋根にも鴟尾を設置しており、両端に美しい飾りがお目見えした。復元工事の設計・工事監理は文化財建造物保存技術協会、施工は清水建設がそれぞれ担当。来年夏ごろに素屋根の曳き屋工事が行われ、22年3月に南門の復元が完了する。
南門は第一次大極院殿の正門で、天皇が役人たちへの叙位やうたげを催した場でもあった。入母屋造(木造平屋)の二重門で高さは約20メートル、幅22・1メートル、奥行き8・8メートル。延べ面積は195・7平方メートル。南側にある朱雀門よりもやや小さい。
南門の復元工事は2017年11月から始まり、19年から奈良県など紀伊半島産のヒノキなどを加工した部材の組み立て作業が本格化した。順調に工事が進む中で、屋根の瓦の取り付け作業がほぼ完了し、両端に高さ1・5メートル、重さ約480キロの青銅製の鴟尾を設置した。飾りには唐草文様などが描かれ、表面に7630枚の金箔(きんぱく)を貼った。
この日は午前10時すぎに作業が始まり、クレーンで9メートルほど持ち上げた後、作業員が屋根の東側に慎重に据え付けた。
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