国際建設技術協会(国建協、橋場克司理事長)がまとめた日本企業による海外建設コンサルティング業務の2019年度受注実績によると、地域別の受注額はアジア地域が1045・2億円(前年度比16・0%増)で過去最大となった。
総額の72・9%を占める。うち政府開発援助(ODA)案件は989億円。著しい経済成長を背景にアジア各国ではインフラ整備計画が潤沢で、特に鉄道をはじめ運輸交通分野の大型案件の受注がけん引した。
19年度の受注総額は1433・7億円(14・1%増)となり、過去最高を更新した。地域別に見ると、アジア地域の件数は370件と前年から9件減少したが、1件当たりの受注額は増え、受注額は前年の901・2億円から約144億円増加した。
9割超が国際協力機構(JICA)の円借款事業。「南北通勤鉄道事業」(フィリピン)、「ダッカ都市交通整備事業」(バングラデシュ)、「ヤンゴン-マンダレー鉄道整備事業(フェーズ2)」(ミャンマー)といった10億円以上の大型契約が全体を押し上げた。
一転、20年度は世界中に広がるコロナ禍の影響を受け、アジア地域でも受注実績が下振れする見通しだ。事業費が大きく、日本企業のノウハウが生かされる本邦技術活用条件(STEP)が適用されるアジアでの案件について、国建協の担当者は「大型案件はフィリピンが終わると残るはバングラデシュだけではないか」と指摘しつつも、会員各社にとってアジアが主戦場となるトレンドはこの先も続くとの見方を示す。
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