東京都港区の虎ノ門一丁目東地区市街地再開発準備組合が計画するプロジェクトの概要が明らかになった。オフィスや商業など、延べ約13万平方メートルのビルを建てる。年度内にも国家戦略特別区域計画の認定を受け、2021年度をめどに本組合へ移行。22年度の着工、25年度の竣工を見込む。
4日に開かれた内閣府東京圏国家戦略特別区域会議の「東京都都市再生分科会」に都市再生特別地区の都市計画素案が報告された。計画地は虎ノ門4、5、8(区域面積約1・1ヘクタール)。東京メトロの虎ノ門駅に近接する。
建物規模は地下5階地上30階建て延べ12万6000平方メートル。高さは約180メートル。低層部に店舗を配置。ビジネス支援施設やカンファレンス、交流ラウンジなどで構成する「(仮称)虎ノ門イノベーションセンター」も入れ、エリアの国際競争力を強化する。
中高層部はオフィスとなる。電線の地中化や虎ノ門駅へのアクセスを高める地下通路の整備などにも取り組む。準備組合の活動を支援する「事業推進パートナー」は、日本土地建物、都市再生機構、住友不動産が務める。
都市再生分科会では同地区に加え、「大手町地区(D-1街区)」と「新宿駅西口地区」の都市再生特別地区で都市計画素案も報告された。
大手町地区(D-1街区)は、千代田、中央両区にまたがる約3・5ヘクタールの区域。三菱地所が個人施行の再開発「東京駅前常盤橋プロジェクト」として、事業を推進している。建設する計4棟のうち、最大規模のB棟の約5・4万平方メートルの増床などに伴い、都が16年4月に都市計画の変更決定した都市再生特別地区を再変更する。変更素案によると、B棟は地下4階地上63階建て延べ54万4000平方メートル。用途は従前の計画にある事務所、店舗、駐車場に加え、高層部に入る国際級のホテルと、MICE(国際的なイベント)の開催を想定したホールを追加した。
高さは約390メートルのまま変更しない。呉服橋交差点につながる地下通路、首都高速道路日本橋区間の地下化を見据えた川沿いの景観なども整備する。23年度の着工、27年度の竣工を予定する。
新宿駅西口地区(新宿区、区域面積約1・6ヘクタール)は、小田急電鉄と東京メトロが小田急百貨店などの建て替えを計画している。建て替え後の規模は地下5階地上48階建て延べ28万1700平方メートル、高さ260メートル。商業や事務所、ビジネス創出機能などを設ける。都の土地区画整理事業などに合わせ、重層的な歩行者ネットワーク、交流を生む滞留空間といった基盤整備を進める。22年度に着工し、29年度の完成を目指す。設計は日本設計が担当している。
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