2020年9月29日火曜日

【回転窓】時代とともに変わるもの、変わらないもの

  家族で食卓を囲んでいた時、高校生の娘が「○○ってぱないよね」と言って、思わず顔をしかめてしまった。半端ではないを省略してぱない。意味は分かるのだがそこまで省略しなくても…、とつい思ってしまう▼先週文化庁が2019年度の「国語に関する世論調査」結果を発表した。国語が乱れていると思うかどうかを尋ねたところ「乱れていると思う」と回答した人は66・1%。2014年に実施した前回調査に比べ割合は7ポイント低下した▼日本語の乱れという指摘をよく耳にする。確かに6割以上の人が乱れを感じていたのだが、一方で「乱れていないと思う」という回答も3割あり人によって感じ方は違うと改めて思った▼言葉は時代によって変わるもの。はるか昔を生きた人が現代の会話を聞き、文章を読んだら頭の中に?マークが浮かぶだろう。ただ国語が乱れていると目くじらを立てても仕方がない。SNS(インターネット交流サイト)が日常生活に溶け込んだこれからは、表現はもっと自由に、多様になっていくはず▼とはいえ記者という言葉を扱う仕事をしている身。紙面に“ぱない”を使う日はきっと来ない。

0 コメント :

コメントを投稿