2020年9月9日水曜日

【回転窓】SI単位

  いまや荷重や応力などの単位と言えばニュートン(N)だが、国際単位系(SI)が導入された当初、コンクリートの圧縮強度を何十Nと言われても違和感があった▼SIが建設業に導入されたのは1999年ころ。それまで圧縮強度は1平方センチ当たり何キロと表示されていた。それが1桁違う数字に。例えば1平方センチ当たり600キロは1平方ミリ当たり60N。強度の数字が1桁違うと堅さのイメージが湧かなかったのを覚えている▼SIに移行する90年代、東京都内を中心に超高層ビルが相次ぎ建設された。柱に使う超高強度コンクリートを各社が競うように開発し、独自の混和材などで圧縮強度をどこまで伸ばせるのかしのぎを削っていた▼先週末、台風10号のニュースで台風の規模を表す単位としてヘクトパスカル(hPa)が使われていた。その時、昔はミリバールだったが、いつ代わったのかと思い、調べたらSI導入と同じ時期に変更されていた▼人の記憶とは実に怪しいものだ。当時ヘクトパスカルへの変更は大々的に報道されていたのにもかかわらず、すっかり忘れていた。これは記憶の問題ではなく老いのせいかも…。

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