2020年9月4日金曜日

【来春ダイヤ改正で初・終電時間を変更】JR東、鉄道工事作業時間を30分超拡大へ

 

 JR東日本が鉄道工事の作業時間を確保するためダイヤ改正に踏み切る。省人化に効果のある機械化作業を進めるために、初電と終電の繰り下げ、繰り上げなどを実施。作業の準備や後片付けの時間を延ばし効率の高い作業時間を増やす。新型コロナウイルス感染症の影響で鉄道利用者が減っており、「抜本的な行動改革」(深澤祐二社長)の一環として対応する。

 同社によると建設業就業者は過去10年で約1割、同社管内の線路保守作業員は約2割減少したという。首都圏で約7000人とされる鉄道工事の作業員は2030年までにさらに1~2割の減少が続くと予想している。既存設備の老朽化と新しい設備の導入で工事量は約1割増加。ホームドアやバリアフリー設備の工事が相次いでいる。生産効率を高めるため機械化を急いでいるが、現場や工事によっては移動や安全確認で作業時間が減ってしまうこともある。

 「しっかりした人材確保に向けた働き方改革が急務」(深澤社長)として、首都圏は列車間合い240分以上を目指す。各方面の終電を現行から30分程度繰り上げ、終着駅の到着はおおむね午前1時ころとする。一部は初電を遅らせる。感染症対策のため利用者の多い金曜日などは、終電前に臨時列車を増発する。来春のダイヤ改正で対応。朝の通勤時間帯を含めてダイヤを設定する。

 東京都心を走る山手線の内回りの一部区間は、コロナ禍の影響で午前0時台の利用者が60%以上減っている。同社は「働き方、行動様式は元に戻ることはない」(深澤社長)と見ており、「改良、保守のスピードアップ、サービス向上、鉄道工事の働き方改革を実現したい」(同)としている。コロナ禍で減収が続き、今後は設備投資を含めた1500億円のコスト削減など経営体質の強化にも努める。

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