2020年12月9日水曜日

【品川開発プロジェクト現場で出土】JR東日本、「高輪築堤」保存の在り方検討

  JR東日本の深澤祐二社長は8日に東京都内で定例会見し、港区内で計画する「品川開発プロジェクト」の現場から「高輪築堤」の一部とみられる石積みの構造物が出土したことに関し、「今後どのような形で保存していくかを含めて決めていきたい」と述べた。

 延べ約85万平方メートルの施設群を整備する。来春からの順次着工に向けた準備工事中で、事業スケジュールに影響がありそうだ。

 高輪築堤は明治時代初期に、鉄道を敷設するため海上に造られた構造物。近代日本の鉄道の歴史や土木技術を伝える遺構として、同社は区教育委員会など関係者と調査や協議を進めていく。会見で深澤社長は「築堤がかなりきれいな形で出てきている」と現状を説明した。「鉄道が初めて走った箇所でこのような遺産が出てきたのは意義深い」とも指摘した。同プロジェクトの事業スケジュールについては「現段階で見直しするか、(協議が)たどり着いていない。しっかり調査して詰めたい」と述べるにとどめた。

 同プロジェクトは、I期事業として高輪ゲートウェイ、品川両駅一帯を4街区に分け、整備を進める。2021年4月1日の3街区を皮切りに、1、4街区が同6月1日に着工する予定。同10月1日に2街区の工事を始める見通し。いずれの街区も、完成予定は25年3月31日。JR東日本建築設計・JR東日本コンサルタンツ・日本設計・日建設計JVが設計を手掛ける。1街区がフジタ、2街区は鹿島、3、4街区は大林組が施工予定者となっている。

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