2020年12月11日金曜日

【回転窓】多様性を支える

  「新型コロナウイルスで若者と女性、障害者がとても苦しい状況にある」。11月30日の参院本会議で自民党の今井絵理子参院議員が手話を交えて訴えた。手話を使った質問は参院本会議で初めて▼新型コロナでマスク姿が増え、口の動きを読めないことに困っている聴覚障害者の声があったそうだ。企業での障害者の解雇が増えた現状に触れ、「雇用や生活、人権を守るために、強力な対策を講じる必要がある」と強調した▼今井氏には聴覚障害のある息子がいる。その礼夢氏が7日、川崎市多摩区のプロレス団体「ヒートアップ」の大会でプロレスラーとしてデビュー。30分一本勝負のシングルマッチに臨み、敗れたものの奮闘する姿を見せた▼心配や不安があったが、夢を追い続けてほしいと応援してきた今井氏。「これからも挑戦し続けて、笑顔と勇気を与えられる選手になってほしい」。SNS(インターネット交流サイト)にそうつづった▼ダイバーシティー(多様性)が叫ばれる昨今。多くの人が選択肢を持ち続けられる社会をどう造り上げていくのか。コロナ禍の苦境下だからこそ、しっかり考えていくべきだろう。

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