2020年12月2日水曜日

【回転窓】強靱化対策15兆円

 澄んだ夜空にぽっかり浮かんだ、まん丸お月さま。霜が降り始めるこの時期の満月をフロストムーンと呼ぶそうだ。コロナ禍で気がめいることが多い中で、時を忘れて昨夜の月を眺めた人もいただろう▼今年も異常気象による災害が世界各地で発生した。国内では熊本県などを襲った7月豪雨災害が記憶に新しい。中国では夏場に長江中・下流で記録的な大雨が降り、多くの死者と不明者が出た▼台湾は台風がことごとく日本側にそれて水不足が深刻という。農業だけでなく、製造業への影響も懸念されており、台湾政府は渇水対策に50億円を計上した。特に半導体製造には大量の水が必要で、水の確保は喫緊の課題なのだろう▼台湾南部はもともと不毛の大地。そこに90年前、烏山頭ダムを建設して大穀倉地帯に変貌させたのが日本土木技術者の八田與一だ。いまも台湾の中で最も愛されている日本人の一人で、水の神様のようにあがめられている▼霜月が終わり、師走に入った。建設業界が心配していた防災・減災国土強靱化緊急対策が、来年度から5カ年計画で15兆円の規模になると決まった。ぜひ効果的な対策を期待したい。


1 件のコメント :

  1. 昔は、コートをよく、引っかけましたが…今は、安心してくぐれます。

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