2020年12月4日金曜日

【東京駅八重洲北口コンコースなどに採用】新幹線700系車体材を内装材にアップサイクル

  金属建材メーカーの菊川工業(東京都墨田区、宇津野嘉彦社長)は3日、東海道新幹線で使われていた700系車両のアルミニウム車体材を建材に再生するプロジェクトに参画したと発表した。

 JR東海グループの東京ステーション開発(東京都千代田区、谷津剛也社長)による取り組み。特殊なアルミ材を低コストで展伸材に再生。東京駅八重洲北口コンコースなどの内装材としてよみがえらせた=写真。東海道新幹線で初めての試みという。

 用いたのは「カモノハシ」の愛称で知られる東海道新幹線700系のアルミニウム車体材。丸い棒状のビレッドと呼ばれる展伸材で、難易度の高い加工が求められたが、各工程で製造・加工方法を開発して対応。アルミを用いて、のれんや桜の花びらの柔らかなデザインを再現した。再生した内装材は、東京駅八重洲北口コンコースと、専門店街「東京ギフトパレット」で活用されている。

新幹線700系車両(ⓒJR東海)

 もともとの形状や特徴を生かしつつ別のものに生まれ変わらせる「アップサイクル」の取り組みとして、高い評価を得た。東京ステーション開発は今回の取り組みで日本アルミニウム協会(岡本一郎会長)から開発賞を受賞している。

 菊川工業は、プロジェクトマネジメントを担当する乃村工芸社からの相談がきっかけで参画した。今後も顧客の課題解決を通じて、持続可能な社会を目指した取り組みに貢献する。

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