2020年12月9日水曜日

【経済競争力の底上げが課題に】世界の都市総合力ランキング、東京は3位に

  経済競争力に課題-。森記念財団都市戦略研究所(竹中平蔵所長)が8日に公表した2020年版「世界の都市総合力ランキング」で、東京の順位は19年版と同じく全体3位にランクされた。

 「交通・アクセス」などの分野でスコアが上昇した一方、経済指標の低下が昨年から続いた。総合ランキングは昨年と変わらず、首位のロンドンに続いてニューヨーク、東京、パリ、シンガポールの順だった

 ランキングを構成する6分野のうち、東京の「経済」スコアは全体4位。国内総生産(GDP)の成長率や、優秀な人材の確保、法人税率の低さといった指標が、世界の主要都市に比べ低水準にあるとした。ワーキングプレイスなどで整備の遅れも指摘した。

 ランキング作成に携わった明治大学の市川宏雄名誉教授は、8日の会見で「緊急的に対策を打たないと不安だ」と危機感をあらわにした。

 東京は「環境」と「交通・アクセス」の分野で昨年から順位を上げた。環境分野は、新たに設けた指標「都市空間の清潔さ」で高い水準と評価された。「国際貨物流通規模」の指標でスコアを高めたことで、交通・アクセス分野の順位は昨年から1ランク上げ7位となった。

 竹中所長は「統計の関係で新型コロナウイルスの影響は一部分に反映しているだけだが、来年以降どのような影響が出てくるのか注目してほしい」と話した。

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