東京都は16日、府中市に新型コロナウイルス感染症の専用医療施設を開設する。都立府中療育センターの旧施設(府中市武蔵台2の9の2)を改修し転用。陰圧隔離を行うための空調・換気装置を各病室に設置し、感染症の患者に特化した医療環境を整える。
東京都内の感染拡大が収まらず医療現場の逼迫(ひっぱく)懸念が高まる中、改修工事を約3カ月で完了した。
都立病院初の新型コロナ専用施設となる。府中療育センターの旧施設は1968年竣工。6月に新施設への機能移転が完了していた。改修したのは5階建ての旧施設の2~4階部分。新型コロナの軽症・中等症程度の患者を受け入れる100床程度を確保した。旧施設の直近の改修工事を手掛け施設内の設備や配管に詳しい新日本空調に改修工事を特命発注した。
患者の受け入れ開始を前に、施設内部を報道機関に公開した。改修工事では各病室に仕切りを新設する内装工事も行った。重症心身障害者を受け入れる施設だったため、ストレッチャーが通る広いスペースを確保できるよう壁や仕切りが省かれていた。感染の可能性があるエリアと安全なエリアを区分けする「ゾーンニング」を適切に行い、院内感染予防に万全を期す。
工事着手後も医療スタッフからの要望を踏まえ設計変更を行った。感染予防をより徹底するため、一部の個室にもトイレを設置。電子カルテやモニタリング装置を導入するための電気設備工事も追加した。当初は10月末の完了を予定していたが、追加工事への対応などで工期を1カ月程度延伸した。開設後の運営を担う都立多摩総合医療センターの近藤泰児院長は「ハード面は思ったようにできた」としつつ、運営面について「都立病院全体でバックアップしてもらい医師や看護師を配置していく」と話した。収容患者が重症化した場合は多摩総合医療センターに移送することを想定し、各段階で治療する態勢を整えていると強調した。
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