シロツメグサ。クローバーと言った方がおなじみかもしれない。子どもの頃、シロツメグサの花を摘むと雨が降ると言われたことがある▼大人になってその話を周囲にすると、そんな話は聞いたことがないと一蹴された。それ以降、すっかり忘れていたが、先日「雨降り花」と呼ばれる花があることを知った▼『日本植物方言集』(日本植物友の会著)によると、シロツメグサやイチリンソウ、コケリンドウ、ギボウシ、ヒルガオなどは花が咲いたり、花を摘んだりすると雨が降ると言われ、「雨降り花」あるいは「雨花」と呼ばれている▼5月は雨降り花の開花時期で言うと終盤に当たる。その雨はしとしとと大地を潤すイメージで、田植えを終えた新緑の苗をつややかにぬらし、その成長を優しく見守る。「青葉時雨」という言葉があるが、大きな葉に少しずつ雨が貯まり何かの拍子にザッと落ちるような優しい雨だ▼九州に続き、近畿や東海も梅雨入りしたそう。5月中旬というのに熊本では1時間に90ミリもの猛烈な雨が降った。とても優しい雨とは言えない。局地的な豪雨はいつどこを襲うか分からない。備えに万全を期したい。
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