鹿島は25日、トンネルボーリングマシン(TBM)とNATMの両方に対応できるハイブリッド型トンネル掘削機による導水路トンネル工事の掘進が完了したと発表した。コマツとの共同開発。高速掘進が可能なTBMモードと不良地山に柔軟に対応できるNATMモードを選択できる。1機のトンネル掘削機で二つのモードを使用した施工事例は世界初という。
トンネル掘削機「NATBM(ナトビーエム)」は、鹿島・佐藤工業JVが新潟県糸魚川市で施工中の「新姫川第六発電所新設工事のうち土木工事(II工区)」(発注・黒部川電力)に導入した。トンネルの全長は3・8キロ。工期は2017年7月~22年10月。
蛇紋岩層の境までをTBMモードで掘削し、地質が複雑になった蛇紋岩混在区間はNATMモードに切り替えた。NATMモードでは、カッターヘッドから内蔵のバケット掘削機を出して掘削。ずりは開口部から取り入れて後方に搬出し、掘削後に先端を取り換えてコンクリート吹き付けやロックボルト削孔を行った。
鹿島は今回の工事で導入効果を確認。今後さらなる施工合理化に取り組む。TBM工事への適用拡大も目指す。
0 comments :
コメントを投稿