2021年5月18日火曜日

【回転窓】サイバー攻撃の恐怖

  米国で大規模石油パイプラインがサイバー攻撃を受け、操業停止に追い込まれた。運営会社は先週、システムが正常な運転に戻ったと発表し稼働を再開したが、ガソリンのパニック買いが起こるなど小さくない影響が出た▼重要インフラにサイバー攻撃を仕掛けたのはハッカー集団で、システムの修復と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア」攻撃を行ったという▼まるで映画のような出来事だが、米メディアによると同社は「ダークサイド」と名乗る集団に約500万ドル(約5億4700万円)を支払ったとの話も▼社会や経済を支えるインフラを人質にする行為は決して許されない。今回は米国の話だが、日本はどこまで防衛手段を講じているのか心配になった。サイバー攻撃に国境などあるはずもなく隙がある、あるいは隙を見つけ出して狙われる可能性は日本も十分ある。もし電力や通信、水道、交通などでシステムが人質に取られたら…。企業も決して油断はできない▼新聞製作もここ10年で様変わりした。原稿を手書きしFAXで送信していたのも今は昔。取材の相手やポイントもしっかり考えるべきだろう。

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