2022年10月18日火曜日

トンネル専門協/江府道路久連トンネル工事現場(鳥取県江府町)で見学会

 ◇ベルトコンベヤー方式で二酸化炭素削減
 日本トンネル専門工事業協会(野崎正和会長)は、鳥取県江府町で施工中の国道181号(江府道路)久連トンネル工事現場で13日に会員向けの見学会を開いた。コロナ禍の自粛期間を経て3年ぶりの開催。施工上の工夫や環境・安全対策など、きれいで働きやすい現場づくりについて会員間で意見を交わしながら現地を見て回った。
 江府道路は地域高規格道(江府三次道路)の起点となり、延長は鳥取県江府町佐川~同町武庫を結ぶ4・1キロ。このうち中央区間の大部分を占める久連トンネルは延長2609メートル(幅員6・5メートル)。NATM発破工法を採用し、掘削断面積は約70平方メートル。工期は2021年10月~25年3月。県発注の同トンネルの施工を安藤ハザマ・大豊建設・八幡コーポレーションJVが担当している。
 現場見学に先立ち、安藤ハザマJVの河野友紀所長が工事概要を説明。12日夜時点で207メートルまで掘削しており、二酸化炭素(CO2)の排出削減対策として「年明けにも(ダンプ方式から)ベルトコンベヤー方式でのズリ出しに切り替える」と述べた。
 現場での苦労・課題として、長大トンネルながら仮設ヤードが狭く、冬季の除雪作業が難しいほか、一部に残る未探査区間の対応、既設導水路の安全対策などを挙げた。
 見学後に開いた意見交換会で、野崎会長は「大変きれいな現場だった。トンネル工事の先は長く、課題もまだまだあると思うが、(専門業者の)拓進建設の方々も関係者間でコミュニケーションを図りながら解決してもらいたい」と現場関係者らを激励した。
 現場で指揮を執る拓進建設の稲津利昭所長は「職員の長時間労働を改善したいと思っているが、シフト制を取り入れたくてもなかなか人が入ってこないので難しい」と現状を説明。個別の現場単位での働き方改革の取り組みには限界があると訴えた。
 見学会に同行した建設業振興基金の谷脇暁理事長は「来春採用の内定者を含め、職員らが実際に現場を見ることは少なく、こうした機会はありがたい。当基金でも人材確保・育成に力を入れており、皆さんの意見も聞きながら取り組んでいきたい」と述べた。
 建設経済研究所の佐々木基理事長も「施工のICT化により、トンネル業界が若い人たちと結びつく伸びしろは他業種よりも多いと感じる。次回は我々の研究員も是非参加させてもらい、トンネルの魅力を広げていきたい」と総括した。



source https://www.decn.co.jp/?p=147042

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