不動テトラとソイルテクニカは、大型地盤改良機を使った自動打設システム「ジオパイロット・オートパイル」を一部改良し、小型施工機への適用を可能にした。従来は機械攪拌(かくはん)式のみだった深層混合処理工法に自動化では業界初の高圧噴射式を追加。幅広い施工条件への対応と、用途に応じて工法選択も可能な柔軟性を持たせた。今後も自動化施工を積極的に提案し、需要が増す地盤改良工事に対応していく。
大型施工機対象の自動打設システムは2020年度に開発。多くの実績を重ねてきた。追加した小型施工機タイプも自動化機能に大きな変更はない。
機械攪拌式工法(CI-CMC工法)ではリーダーの先端に設置した攪拌翼の挿入や引き上げ、セメントスラリーの注入など打設作業を自動でコントロールする。操縦席には機械の稼働状況など表示するモニターを設置。現場のスラリープラントと無線で通信し、プラントの監視やポンプへの流量調整も自動で行う。
自動化を実現した高圧噴射攪拌工法(FTJ-NA工法)は攪拌翼の先端に取り付けたノズルから固化材スラリーを高圧噴射し、原位置で攪拌して硬質な改良体を造成する。二つの工法に対応する小型施工機には軸チャックのつかみ替え制御、高圧ポンプの流量調整と圧力監視の自動化を追加した。攪拌翼を交換するだけで簡単に仕様変更でき、同一現場で工法を使い分けることも可能になる。
打設作業の自動化でレバー操作がほとんどなくなり、作業負担が大幅に減少。生産性向上に加え、工事現場で行き交う重機や既設構造物への配慮に目が行き届くため品質向上にも貢献する。3年程度必要だったオペレーターの習熟期間は約3分の1に短縮できるという。
システムを搭載した小型施工機は現状は1台だが23年上期に4台体制にする予定。4日、不動テトラ総合技術研究所(茨城県土浦市)で実機が公開され、大林淳取締役兼常務執行役員地盤事業本部長は「ICTを駆使して生産性向上や担い手確保の課題を克服することが地盤事業の成長戦略の一つだ。技術の伝承を含め技術開発を継続し全自動化を目指す」と展望を語った。
source https://www.decn.co.jp/?p=146731
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