関東地方整備局と東日本高速道路会社が共同で進める首都圏中央連絡自動車道(圏央道)久喜白岡~大栄区間の4車線化工事が最盛期を迎えている。各工区を担当する建設会社はそれぞれが持つ技術力を駆使し、施工の効率化や高度化を図っている。4車線化工事の一部が本年度中にも完了。その後、完成工区から順次供用し2026年度内の全線4車線化を目指す。
圏央道は埼玉県久喜市の久喜白岡JCTから茨城県を経て千葉県成田市の大栄JCTまでの約92・2キロが暫定2車線で開通しており、現在4車線化工事が進んでいる。首都圏三環状道路の最外殻を構成し、関東地域の道路ネットワークの要として成田国際空港や北関東3県の工業地域、千葉県と神奈川県といった東京湾を挟んだ地域同士を結ぶ基幹道路となる。沿線では4車線化をにらみIC周辺の開発や物流施設の立地が相次ぐ。
4車線化の工事区間のなかでも難所と言えるのが利根川渡河部の「利根川橋」(茨城県五霞町大福田~同境町塚崎)。施工は三井住友建設鉄構エンジニアリング・日橋JVが施工を担当している。形式は鋼5径間連続細幅箱橋+鋼6径間連続細幅箱橋。橋長は合計で835メートルある。橋脚数は12基。水深が浅いため架設に送り出し工法を採用したがヤードが狭いため、送り出しの出発点にある左岸側の高架上に作業床を設置し、桁を組み立てている。近く送り出し工事を始める計画だ。
五霞ICに近い「新切戸西高架橋」(埼玉県幸手市木立地先)はJFEエンジニアリングが施工している。形式は鋼12径間連続合成少数鈑橋+鋼6径間連続合成少数鈑橋。橋長は合わせて696メートル。橋脚数は19基。長大桁のため、寒暖差による伸縮が大きいのを考慮し、架設時の位置調整に細心の注意を払う。
巨大物流施設が姿を現しつつある常総ICの近隣では「鬼怒川高架橋」(茨城県常総市花島町地先)の工事が佳境を迎えている。施工を担当する川田工業は合成床版に新製品「SCデッキスタッドレス」を投入。リブの形状を改良し施工性、耐久性を高めた。従来の底鋼板よりも軽量のため大ロットで揚重可能。リブ上に直接鉄筋を置き、配筋の手間を減らすことができるという。
圏央道4車線化は、主に盛り土構造を採用している境古河IC(茨城県境町)~坂東IC(同坂東市)が本年度内の工事完了を目指して現在、中央分離帯部分の工事と車線の切り回しを実施中。利根川渡河部や常総IC周辺は25~26年度の4車線化を目指している。
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