建設技術研究所は28日、排水が追いつかずに市街地が浸水する「内水氾濫」と、河川の氾濫による「外水氾濫」を一体解析できるモデルを開発したと発表した。これまでは別に計算されていた二つのタイプの氾濫を一体的に解析することで、浸水リスクを高精度に予測。より効果的な浸水対策や避難につながる。地方自治体や民間企業を対象にモデルを活用したサービスの提供を開始した。
開発したモデルは▽山地、市街地に降った降雨が河川や下水道に流入する過程を計算する「河川、下水道流出モデル」▽河川や下水道内の流れを計算する「河川、下水道追跡モデル」▽河川や下水道から市街地にあふれた水が地表面で拡散する現象を計算する「氾濫モデル」-の三つを組み合わせて一体的に解析。これにより河川氾濫だけを扱う従来の氾濫モデルに比べて、豪雨時に発生する連続的・複合的氾濫の浸水範囲や浸水深などを詳細に把握できる。
自治体や民間企業へのサービスでは地域の浸水リスク特性を正確に分析し、安全度を高める効果的・効率的なハード対策、避難計画などのソフト対策を提案する。
今後は解析のスピードを上げ、リアルタイムでの浸水予測を行うシステム構築を進める。ウェブなどを活用した解析結果の外部公開に向けて関係機関との調整も図る。
大雨時、氾濫は大河川、中小河川、下水道から連続的・複合的に発生するが、従来の解析モデルではこれらを別々に計算していた。このため中小河川の氾濫発生後に本川から大規模な氾濫が生じる場合や、河川が氾濫する前でも下水道からの浸水により避難路が確保できなくなるケースに対して、効果的な浸水対策や避難計画が難しいという課題があった。
開発したモデルのイメージ。複数のモデルを組み合わせて解析できる(報道発表資料から)
source https://www.decn.co.jp/?p=147426
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