山形県とJR東日本は24日、山形新幹線「米沢トンネル(仮称)」整備計画の推進に向けて覚書を交換した。共同で調査を実施し、事業スキームの確定に向けた検討や財政的支援を政府に働き掛ける。併せて東北本部と県内の鉄道沿線の活性化に関する包括連携協定も締結。10年間にわたり観光資源の活用促進や防災・災害対策、まちづくりに連携して取り組む。
山形県庁で開いた締結式には、山形県の吉村美栄子知事、JR東日本の渡利千春常務グループ経営戦略本部長と三林宏幸執行役員東北本部長が出席し、トンネル整備計画に関する覚書と沿線活性化の包括連携協定にそれぞれ署名した。吉村知事は「米沢トンネルの実現は県の発展に直結するもの。協定は県とJRが連携して取り組む強力なメッセージになる」と述べた。渡利常務は「予期できない自然災害の発生を踏まえリスクへの備えを万全なものにしていかなければならない。プロジェクトの実現へ事業化につながる調査を行っていく」、三林本部長は「山形県内の鉄道沿線の活性化で相互の持続的発展を目指していきたい」と語り、官民一体となった連携強化の意義を訴えた。
山形新幹線は1992年の開業から30年が経過。山形と福島の県境の山岳区間を走り、大雪などにより運休や遅延が発生している。このため、庭坂駅(福島)~米沢駅(山形)間の約23キロのトンネルを計画。工期は着工から完成まで約15年、概算事業費を1500億円と試算している。時速200キロ以上の高速走行も可能な穏やかなカーブのトンネルで、山形駅から東京駅までの所要時間が10分強短縮される見通し。
トンネルの具体的なルート検討を含め事業化に向けて県とJRでは共同調査を実施。3月から地権者調査と地表踏査を進め、来年度に地質のボーリング調査に入る。県では9月補正予算に3カ年で2億81百万円の債務負担行為を設定している。
source https://www.decn.co.jp/?p=147245
0 comments :
コメントを投稿