清水建設は、指定確認検査機関が行う建築確認の中間、完了検査のリモート化をサポートする「確認検査支援システム」を開発した。BIMデータとAR(拡張現実)を活用した従来システムに3Dレーザースキャナーなどを取り込み、AR画像の視認性を高度化。BIMと3D点群データを重ね、より現実的なAR表現を可能にした。従来の中間検査に加え、完了検査にも対応でき確認検査業務の効率化につなげる。
同社は日本建築センター(BCJ)の指導に基づき、2020年から建築確認業務の効率化に着手した。BIMデータを活用した建築確認システムを皮切りに、ARを組み合わせた中間検査のリモート化システムも開発。いずれもBCJが有効性を検証済みだ。
続く第3弾が確認検査支援システム。ARなどの開発を手掛ける積木製作(東京都黒田区、城戸太郎社長)の協力を得て、3Dレーザースキャナー(LiDAR)とゲームエンジンを組み込み精度を向上させた。検査対象部位の画像上にBIMデータと建物をレーザースキャンした3D点群データを取り込み、タブレット端末にAR表示する。
BIMと点群データを重ねることで奥行方向の位置関係を反映した表示が可能。点群データとBIM形状の差異のうち、許容値から外れた部位の可視化に加え、現実には見えない道路斜線や隣地斜線、避雷保護範囲などの法規制空間を可視化した整合確認が行える。
AR画像はテレビ会議システムや5G映像伝送システムでリアルタイムに情報共有が行え、タブレット端末などで遠隔地から中間、完了検査に参加できる。
現在、設計・施工を手掛ける三愛会総合病院建設工事(埼玉県三郷市)で、BCJがシステムを使った任意完了検査を実施中。建築基準法に定める検査に代替可能で、リモート化にも対応できるとしている。清水建設は指定確認検査機関にシステムを提案し確認検査のDX化を推進していく。
source https://www.decn.co.jp/?p=147144
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