東京都は中央区の晴海ふ頭にある「晴海客船ターミナル」を解体する。解体工事に向けた実施設計業務を近く民間委託し、来年の東京五輪・パラリンピック閉幕以降、早期に解体工事に着手する方針だ。
9月には江東区青海沖に「東京国際クルーズターミナル」が開業。東京港の客船ターミナル機能が新施設に移ることから、既存施設の維持管理コストなどを考慮し解体を決めた。
晴海客船ターミナルの所在地は中央区晴海5の7の1ほか。建物構造はRC造。建築面積は8470平方メートル、延べ床面積は1万7639平方メートル。1991年に竣工した。9月に亡くなった建築家・竹山実氏の代表作として知られる。
所管部署の都港湾局が「令和2年度晴海客船ターミナル解体その他実施設計」の希望制指名競争入札を9日に公告した。希望申請を13日まで受け付ける。開札は12月9日。「建築設計」の登録業者が参加できる。
委託業務では解体工事や、受水槽・ポンプ室の解体に伴う船舶給水用配管の直結化に関する実施設計を行う。解体工事では杭基礎のフーチングまでを除去する。実施設計の履行期間は2021年6月9日まで。
解体工事の予定工期は21~22年度。東京五輪・パラリンピック時は周辺一帯が選手村として利用されるため工事着手は大会閉幕以降となる。
東京国際クルーズターミナルは岸壁を現在の1バース・延長430メートルから2バース・延長680メートルに延伸する計画がある。都港湾局の担当者によると、2バース目の供用開始までは「晴海ふ頭での客船の受け入れは続ける」。施設解体後も何らかの形で受け入れ態勢を整えるという。2バース目の供用開始以降は晴海ふ頭の客船受け入れ機能を廃止し、跡地を緑地とする予定だ。
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