2020年11月30日月曜日

【回転窓】星座を横切る未来の現場

 冬の夜空に輝くオリオン座。主要な恒星が七つある砂時計のような星座は、条件が整ったなら、真ん中に並んだ三つ星の下にある大星雲を肉眼でも目にすることができる▼「いつもと違った星座に見えるね」。山深くにあるキャンプ場で、手にしたランタンの明かりをしぼった親子が夜空を楽しそうに見上げていた▼今年は宇宙の明るい話題が多い。米国宇宙企業スペースXの宇宙船「クルードラゴン」が5月に国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。今月17日からは再び同社が打ち上げた宇宙船に搭乗した野口聡一宇宙飛行士がISSで長期滞在を開始。ISSは今週末から日本上空で観測できるようになるという▼宇宙探査に関するアルテミス協定への10月署名に伴って、日本の関係機関や企業の対応はさらに加速する見通し。建設関係も複数の企業が宇宙航空研究開発機構(JAXA)と施工技術や材料研究などに取り組んでおり、動向が注目される▼商業利用の進展に伴って、宇宙が工事現場となる日は着実に近づいている。研究開発が実を結び、工事現場がオリオン座を横切るような未来を楽しみに待ちたい。

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