2020年10月19日月曜日

【銀座駅のコンセプトは「憧れの街」】東京メトロ、銀座線5駅をリニューアル

  東京メトロは銀座線の銀座、日本橋、京橋、青山一丁目、外苑前の5駅をリニューアルした。「伝統×先端の融合」をコンセプトに工事を実施。安全に利用できるようホームドアやバリアフリー設備を整備するとともに、街の歴史や魅力が感じられるようコンコースやホームのデザインを工夫した。バックヤードの工事を継続する。

 銀座線は17年に開業90周年を迎えた。同社が報道陣に16日公開した銀座駅(東京都中央区)は、リニューアルに約220億円を投じ、丸ノ内線、日比谷線のホームも改装した。銀座の街の優雅さや高級感を表現し、柔らかい色の照明が構内を照らすようにした。銀座線の黄、丸ノ内線の赤、日比谷線のシルバーのラインカラーである黄、赤、銀に構内を色分けすることで、利用者が今どこにいるのかすぐにわかるようになっている=写真㊤

 銀座駅の出入り口上屋は周囲のビル群に溶け込むよう、ラインカラーが照らすガラスを用いた。改札口付近には路線ごとにライトアップした「光柱」を配置してある。天井には地上の街並みを投影する。ホーム部分は側壁に銀座の街の100年間の移り変わりを描き、乗客が銀座の歴史を体感できるデザインにした=写真㊦

 東京メトロの三丸力工務部第二建築工事所長は「電車の運行時間を除いた時間しか工事できず、新型コロナウイルスの影響で部品の供給も限られる中、工程調整に気を配った」と銀座駅の工事を振り返る。改装後の駅は「地域住民や乗客に愛着を持たれるよう運営したい」と語った。日建設計の担当者は「利用するすべての方にとっての分かりやすさを実現できる空間になったと思う」と自信をのぞかせた。


 リニューアルした5駅のデザインコンセプトは銀座駅が「憧れの街」、日本橋駅(中央区)が「橋の街」、京橋駅(同)が「時のギャラリー」、外苑前駅(港区)が「スポーツの杜」、青山一丁目駅(同)は「優雅な街並み」。

 日本橋駅は五街道の起点の日本橋に近く、江戸時代からの歴史が感じられるよう壁天井を木調で仕上げた。京橋駅は東京のガス灯発祥の地として、ガス灯を柱のモチーフにした。スポーツ施設へのアクセスが優れる外苑前駅は爽やかさが感じられるデザインを採用した。神宮球場方面の改札は、明るい天井にトラックをイメージしたラインが入っている。青山一丁目駅は、床のタイルの組み合わせを工夫し、石畳を表現した。桜の名所のため柱は桜の木肌のようなつやのあるデザインとなっている。

 5駅の設計者と施工者は次の通り。▽駅名=〈1〉設計者〈2〉施工者。

 ▽銀座=〈1〉日建設計〈2〉大成建設

 ▽日本橋=〈1〉交建設計〈2〉大林組・鹿島JV(銀座線)、大林組(東西線)

 ▽京橋=〈1〉メトロ開発〈2〉清水建設

 ▽外苑前、青山一丁目=〈1〉メトロ開発〈2〉安藤ハザマ

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