2020年10月6日火曜日

【回転窓】問われる決断力と発信力

 1年前の日本はラグビーワールドカップ(W杯)の熱戦が各地で繰り広げられ、日本代表チームの躍進に多くの人が夢中になっていた▼熱狂の日々から1年。新型コロナウイルスの脅威はいまだ収まらず、日本はもちろん世界中が対応に苦慮している。週末には日本を代表するファッションデザイナー、高田賢三さんが新型コロナの合併症によりフランス・パリ郊外の病院で亡くなったというニュースが届いた▼来夏に延期された東京五輪・パラリンピック。政府は現在、159カ国・地域からの入国を原則拒否する対象に指定している。一部の国とはビジネス往来などで出入国を解禁しつつあるものの、国内経済のけん引役になっていたインバウンド(訪日外国人旅行者)の受け入れ再開のめどは付いていない▼先月発足した菅内閣がインバウンドの受け入れ再開を本格的に検討するそうだ。水際対策を誤れば国内の不安は増大する。首相の決断力と国内外への発信力が問われる▼五輪本番までおよそ9カ月。選手や大会関係者、そして観光客をどう迎えるのか。世界的な感染の状況を見極めながら最善の策を模索する日々が続く。

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