経営者への取材で趣味の話になった時、多くの人が挙げるのは読書。経営のヒントや気分転換に欠かせないという声も多い▼日本財団が全国の17~19歳男女を対象に実施した意識調査によると、コロナ禍で読書量が増えた割合は25%にとどまる。情報や学びを得るツールは、テレビが最も多く、SNS(インターネット交流サイト)、動画投稿サイトが続く。手軽にアクセスできる方にどうしても引き寄せられてしまうのだろう▼日本人の読解力は低下傾向にあると言われる。インターネットで発信される文章は短時間で内容が理解できるよう、分かりやすさを重視する傾向が強い。そうした文章に慣れると読解力が下がり、さらに簡単な文章を求めるという悪循環に陥る▼「短文だけで考えを伝えることを癖にしない」「スマホ離れさせる」-。読解力向上への対策に挙げられた自由意見だ。これは大人にも当てはまる▼11月9日までの2週間は読書週間。電子書籍の普及で選択肢も広がっている。変化の早い時代だからこそ学びや気づき、想像力がより一層必要。その一助として、秋の夜長のひとときを読書に充ててみてはどうか。
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