2021年2月4日木曜日

【東日本大震災から10年】東北整備局ら協議会、震災伝承施設に仙台空港など31件追加

  東北地方整備局が事務局を務める「震災伝承ネットワーク協議会」(会長・梅野修一東北整備局長)は2日、第6回会合を仙台市青葉区の仙台合同庁舎B棟で開いた。

 新たに仙台空港(宮城県名取市、岩沼市)を含む31施設を「震災伝承施設」として登録。今回の決定で登録した施設の累計は271施設となる。

 冒頭あいさつした梅野局長は「震災伝承活動は非常に重要な取り組みと認識している」と強調。「新型コロナウイルスの感染拡大で人から人へと伝える伝承活動も厳しい状況に置かれている。ウェブを使った発信など新たな取り組みが必要になってくる」と指摘した。

 震災伝承施設は、震災で大きな被害が出た東北4県(青森、岩手、宮城、福島)から随時募集しており、年2回開く協議会で選定している。今回登録した施設の数を県別に見ると、岩手が24施設、宮城が4施設、福島が3施設。登録した施設数の累計は、青森が6施設、岩手が105施設、宮城が123施設、福島が27施設となっている。

 今回の会合では防災貢献の観点から仙台空港を登録した。空港は津波の影響でほぼ全ての敷地が冠水。旅客ターミナルビルには利用者や周辺住民、空港従業員ら約1700人が避難した。震災後、空港内には教訓パネルや津波到達高さの表示板などを設置した。

 協議会は2021年度からの新たな取り組みとして「震災伝承連絡会議(仮称)」を立ち上げる予定。伝承活動を行う語り部や伝承施設管理者、産学官の関係者らが集まり、震災伝承の課題や在り方を話し合う。初会合の日程は未定となっている。

 今回登録された31施設は次の通り。名称・所在地。

 【岩手県】野田村復興展示室・野田村▽東日本大震災津波記念碑・岩泉町▽3・11希望の灯り・陸前高田市▽東日本大震災大津波記念碑・野田村▽津波石碑(鶴樹神社の津波溺死霊供養塔)・陸前高田市▽津波石碑(明下の招魂供養塔)・同

 ▽津波石碑(大陽の津波溺死紀念碑)・同▽津波石碑(慈恩寺の海嘯溺死漂着者碑)・同▽津波石碑(前花貝の海嘯溺死漂着者碑)・同▽津波石碑(華蔵寺の弔海嘯赤痢亡霊碑)・同▽津波石碑(華蔵寺の海嘯溺死供養塔)・同

 ▽津波石碑(華蔵寺の弔海嘯溺死霊碑)・同▽津波到達地点記念碑(中沢の津波記念碑)・同▽津波到達地点記念碑(六ケ浦の津波記念碑)・同▽津波到達地点記念碑(大陽の津波記念碑)・同▽桜木町・花輪田地区慰霊碑・大槌町

 ▽小枕・伸松地区慰霊碑、芳名塔・同▽沢山・大ケ口地区慰霊碑(沢山)、津波到達伝承表示・同▽沢山・大ケ口地区慰霊碑(源水)・同▽赤浜地区慰霊のモニュメント・同▽吉里吉里地区慰霊碑、津波到達伝承碑・同▽浪板地区慰霊碑、津波到達伝承碑(5基)・同▽小鎚地区慰霊碑・同▽金沢地区慰霊碑・同

 【宮城県】名取市震災復興伝承館・名取市▽閖上中学校遺族会慰霊碑・同▽仙台空港・同、岩沼市▽昭和8年3月3日大震嘯災祈念碑(荒浜)・石巻市

 【福島県】ふたばいんふぉ・富岡町▽原釜尾浜防災緑地・相馬市▽震災伝承看板「松川大洲・大浜地区海岸堤防」の復旧(相馬市尾浜)・同。

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