東日本大震災が発生した半月前、ニュージーランド(NZ)の南島でも大地震が起きた。東海岸にあるクライストチャーチ市を中心に大きな被害が出て日本人28人を含む185人が命を落とした▼同市は英国風の歴史的建造物が数多くあり、「イングランド以外で最もイングランドらしい街」と言われた。700カ所を超える公園がありガーデンシティーとも称される▼地震が発生したのは2011年2月22日午後0時51分。語学学校が入っていたビルが倒壊し日本人ら115人が犠牲に。追悼式では犠牲者全員の名前が読み上げられ多くの市民が当時の出来事に思いをはせ、追悼の気持ちを新たにした▼街のシンボルだった大聖堂の修復が始まったのは昨年5月。市内には崩れたままの建物も残っているそうだ。翻って日本はどうなのか。被災地の復興は10年で進んだと思うがそれでもなお、癒やしきれない傷があるだろう▼被害の大きさは違うかもしれないが、地域にそして多くの人たちの心に深い爪痕を残した二つの大地震。日本とNZが寄り添い、震災の教訓を世界中に発信し続けることができればと改めて思っている。
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