2021年2月22日月曜日

【東日本大震災から10年】平沢勝栄復興相、知見を後世に伝える

 平沢勝栄復興相は3月11日に東日本大震災の発生から10年を迎えるのを前に、日刊建設工業新聞など報道各社の取材に応じた。これまでの復興事業を総括し「得られたノウハウや教訓は(国内外に)共有し、後世にも伝える必要がある」と強調。原発事故の影響を受ける福島県内の再生に向け、取り組み課題として県外からの移住促進を挙げ、住環境の整備が重要になるとの見解を示した。

 --過去10年間で復興庁が果たしてきた役割は。

 「復興庁の特徴は職員の半数が(被災3県の)復興局に在籍していることだ。復興庁の設置期間を延長するかどうか議論された時も、被災自治体から継続を強くお願いされた。被災地に寄り添った対応を目指したため、地元からの信頼を得られてきたことが背景にある。復興の過程で積み上げてきた教訓やノウハウは、ほかの行政機関や海外にも広く共有していく必要がある」

 --自然災害が頻発化している。今後発生する災害からの復旧・復興で必要となる視点は。

 「従来の復興は、単に災害で壊れた部分を元の状態に戻すことを目指していた。今後は新たな価値を生み出す『創造的復興』の観点を踏まえ、30年先、50年先の未来も見据え、全く新しい街をつくるという考えに変わっていくだろう。地球環境への配慮も必要になる」

 --原発周辺の復興街づくりの方向性は。

 「一日も早く全域で避難指示を解除できるよう、政府全体で取り組む。福島県はとりわけ大きな人口減少に直面している。(震災前の)人口まで回復させることが課題だ。県外からの移住・定住を促進するには、生活環境の整備が大事になる。浜通り地域で計画中の国際研究拠点は、世界トップレベルの拠点にし、福島復興の目玉にしたい」。

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