防災・減災の知識や技能を習得し、非常時の避難誘導や平時の防災訓練などでも活躍する防災士。日本防災士機構の認証者が20万人を超えた▼阪神大震災を教訓に、自助、共助、協働を理念に社会の防災力を高めようと2003年に創設された。東日本大震災で防災意識が一段と高まったことや、取得を支援する自治体や教育課程に組み込む大学などもあって、認証者が着実に増えてきた▼同機構によると、都道府県別の認証者(1月末時点)は1・6万人の東京が最多ながら、6000人以上の府県は東日本大震災で未曽有の被害が出た東北以外に複数ある。震災を機に全国規模で防災意識が高まったことが防災士の数からうかがえる▼建設業界の認証者も少なくない。中には阪神大震災の被災地で生まれ、東日本大震災を目の当たりにしてから、大学で防災士を取得し、「防災に貢献したい」と昨春から公的機関で働いている人も▼ハードだけでは防ぎきれない自然災害が目立ち、平時の備えと非常時の初動の重要性が高まっている。防災士は自分が動き、周囲を動かすリーダーとなる。取得と継続教育を巡る支援が期待される。
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