国土交通省と東京都、首都高速道路会社などでつくる検討会は、首都高都心環状線と八重洲線の間に新線「新京橋連絡路」を整備する計画を了承した。事業区間は約1・2キロ。日本橋区間の地下化に伴って失われる環状機能を代替する。概算事業費は約1100億円を見込む。都らは今後、関係者との調整や都市計画の変更などに着手する。日本橋区間の地下化と同時の2035年ころの供用を目指す。
首都高都心環状線の交通機能確保に関する検討会(座長・吉岡幹夫国交省技監)の第4回会合を7月30日にウェブで開いた。
新線は八重洲線の南端である西銀座JCTと、都心環状線の築地川区間の間を結ぶ。地下区間は約1・1キロで開削部約300メートル、シールド部約800メートル。完成2車線となる。
築地川区間の大規模更新も併せて実施する。同区間は河床を活用して整備したため道路上に複数の橋脚がある。▽新金橋▽新富橋▽三吉橋▽亀井橋-の4橋を架け替えて橋脚を除去する。擁壁なども更新する。
湾岸線から延びる晴海線と都心環状線との接続は、京橋JCTと銀座出入り口付近の2カ所になる計画だった。だが京橋JCTでの接続は新線の合流部と干渉する。国交省らは接続箇所を銀座出入り口付近だけに絞る方向で計画を見直す。
事業は首都高速会社と都が共同で整備する「合併施工方式」を想定する。費用は首都高速会社が有料道路事業などで約600億円を払う。都は街路事業として約300億円を支出する。周辺の民間開発からも約200億円の拠出を見込む。都有地の活用や容積率の緩和といったインセンティブを与え、負担に協力してもらう。
概算事業費の内訳は▽用地・補償費130億円▽近接構造物防護工250億円▽開削工200億円▽シールド工330億円▽擁壁・掘割工10億円▽設備工170億円▽出入り口改修10億円。
日本橋区間の地下化に伴い江戸橋JCTで複数のランプウェイが廃止され、都心環状線の環状機能が失われる。国交省らは八重洲線と東京高速道路(KK線)で代替する案も検討していた。だがKK線に大型車両を通すには床版や桁の補強が必要で、高架下に入居するテナントも含む全面的な作り替えが避けられない。都がKK線を歩行者空間として再生する方針を打ち出したこともあり、KK線の活用を断念して新線を整備することにした。
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