高輪築堤の遺構(東京都港区提供) |
文化審議会(文化審、文部科学相の諮問機関、佐藤信会長)は23日、JR山手線の高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)周辺で出土した、日本初の鉄道路線の一部「高輪築堤」の遺構を史跡に指定するよう、萩生田光一文科相に答申した。近く指定される見通し。通常は指定まで数年かかるが、緊急的な保存が必要との判断から異例のスピードで手続きが進んだ。
高輪築堤は1872年に日本で初めて開業した鉄道路線の一部。整備当時、用地取得が困難だったため海上に築かれた。JR東日本が進める品川開発プロジェクトで都市計画決定されたI期の1~4街区と、構想段階(II期)の5、6街区にわたり約800メートル出土した。同社が4月に公表した保存方針によると、橋梁部を含む約80メートルと公園隣接部の約40メートルを現地保存し、信号機土台部を含む約30メートルを移築保存する。史跡指定されるのは現地保存する計約120メートル。文化審は「交通の近代化や、それに用いられた土木技術などの歴史を知る上で重要」と評価した。
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