◇地元の人や山に貢献したい◇
入庁して4年目。今は出先機関で治山事業を担当している。働き始めて感じたのは、人を育てることにとても力を注いでいること。技術系の職員として採用された後、計画測量から詳細設計まで仕事に必要な知識を身に付ける機会が数多くあった。まだまだ経験は浅いが、これまでの仕事で「自分ができないことを委託しても良いものはできない」と痛感。技術者として「『こうしたい』という考えを持たなければだめ」と思うようになった。
実家は農業を営み、子どもの頃の遊び場は山や川。高校3年生だった2011年に紀伊半島大水害が発生し、土石流が町を襲い多くの犠牲者が出た。身近にある山や川も状況によって姿が一変する…。「地元の人や山に貢献したい」という思いで森林科学が学べる大学に進み、土砂災害の研究に打ち込んだ。
印象に残っている仕事は入庁後に初めて完成した落石対策の工事。集落の区長から「これだけやってもらったら安心」と掛けてもらった言葉が心に染みた。現在は複数の工事を受け持っている。建設会社の担当者と交わす言葉で強く感じるのは「安全のために良いものを作りたいという思いは一緒」ということだ。
働く上で異動はつきものだが、「愛着を持っていた現場を他の職員に引き継ぐのは悔しい」そう。いつか「『この谷全部を自分が整備した』と言えるような達成感を味わいたい」と思っている。
(農林水産振興部林務課技師、くまたに・さやこ)
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