2021年8月31日火曜日

【横断歩道をかさ上げ】国交省ら、生活道路の安全確保へ「ゾーン30プラス」創設

  国土交通省と警察庁は生活道路の交通安全を確保するため、新たな区域指定制度「ゾーン30プラス」を創設する。車道のうち横断歩道部分だけをかさ上げする「スムーズ横断歩道」などを整備し、車両の速度を抑制。国交省らは「ゾーン30」を抱える複数の道路管理者と調整を終えており、9月以降に整備を本格化する。

 ゾーン30は歩行者や自転車の通行が多い生活道路に設定し、車両の最高速度を時速30キロに制限する。2001年に制度運用を開始した。今後指定するゾーン30プラスの区域内では、主にスムーズ横断歩道を設置してバリアフリー環境の向上と安全確保を両立する。

 路面のうち横断歩道部分だけをかさ上げ。高さを路側にある歩道とそろえるため、歩行者は段差のない状態で道路が横断できるようになる。車両は段差を乗り越えるため速度を落とすことになる。

 杭が地中からせり上がる「ライジングボラード」も必要に応じて導入する。国交省は車道を蛇行させる「クランク」や「スラローム」も有効な手段と見ている。

 ゾーン30は生活道路に設定するため、ほとんどのケースで自治体が道路管理者になる。国交省は社会資本整備総合交付金を重点交付し対策を推進する。スムーズ横断歩道は9月以降に▽京都府舞鶴市▽神戸市▽兵庫県明石市▽山口県下関市▽北九州市▽大分県別府市-の6カ所で整備に着手する予定だ。

 運用の体制も改める。従来は警察による速度規制と道路管理者による整備は別々に実施していた。今後は交通事故の発生状況や住民の要望などを踏まえ、道路管理者と警察が連携して整備計画を策定する。住民の合意も得た上で決定する。

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