2019年6月19日水曜日

【こちら人事部】中設エンジ「専門性と総合性持つ人材を育成」


 ◇一期一会の姿勢を大事に◇

 「食品工場に特化した総合エンジニアリング企業」として事業を展開する中設エンジ(名古屋市西区)。1968年にサブコンとして出発し、親会社である伊藤忠商事や名古屋鉄道の関連施設、両社が開発する分譲マンションの設備工事などを担ってきた。その後、他社との差別化を図るため、食品工場を対象にした生産設備の設計・据え付け施工や建設に事業領域を広げてきた。

 現在は、食品工場の建築・設備・生産ラインのすべてを、計画から設計・施工まで一貫して手掛ける。人事部採用チームの金岩聡チーム長は「事業の8割が食品工場という点で日本でもまれな存在」と特徴を紹介する。

 採用で重視するのは「知的好奇心が強い」と「人が好きである」の2点。食品工場はさまざまな技術要素が凝縮されており、各技術者には専門性とともに広い技術領域を俯瞰(ふかん)して見る力が求められる。「未知の分野に対しても強い興味を示すような人材を求めている」と金岩氏は言う。

 さまざまな専門分野の技術者が集まってチームとして仕事を進めるため、互いに助け合うコミュニケーションも不可欠。「スマイル&コミュニケーション」という方針を全社員が共有して取り組んでいる。

 採用に向けては、まずは会社のことを知ってもらうことが大切との認識から、1日のインターンシップ(就業体験)を行っている。会社や仕事を説明する際は、良い面も悪い面もすべてをオープンに伝え、「一期一会」を意識して学生に向き合うよう心掛けている。面接でも楽しく会話をすることを大事にしている。時には、就職活動全般に関してアドバイスすることもあるという。

 研修制度も充実している。入社から1年間は新入社員教育期間と位置付けている。まずは、親会社の伊藤忠商事グループ全体の集合研修でビジネスマナーを学んでもらう。その後、社内研修で建築などの基礎知識を学んでもらう。CAD実習や設計研修、現場研修なども行う。2人程度を1組とした現場業務の体験期間も設けている。2年目以降は専門職種ごとに月1回程度の技術研修を実施している。

 食品工場という施設を理解するには、プロジェクトの最初から最後まで自身の目で見て体感することが重要となる。入社後最低5年間は、現場での施工管理業務に従事し、食品工場の特性を理解しながら基礎的な技術を身に付けてもらっている。同社が目指すのは「食品業界におけるトップブランド企業」。一人一人が専門性と総合性を兼ね備える必要があり、そうした観点から人材育成に力を入れている。

 「仲間意識が強く、厳しい時、辛い時でも一人で悩むことなく、明るく前を向いて仕事ができる会社」と金岩氏。就職活動に取り組む学生に向けては、「キラリと光る会社はいろいろなところに埋もれている。1社でも多く足を運んで、働く人を見て話をすることで、一番の会社を見つけてほしい」とアドバイスする。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】 男性9人(うち技術系9人)、女性2人(うち技術系1人)(2018年度実績)
 
 【3年以内離職率】14%(16年度新卒)

 【平均勤続年数】 男性14年、女性8年(19年4月末時点)

 【平均年齢】   44・2歳(19年4月末時点)。

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